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Oct 09 / 2015
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防衛政策の進化は安倍政権の偉業、4つの課題で真価問われる G1オピニオン1

<G1オピニオンとは>

日本をもっと良い国にするためにはどうすればよいのか――。そんな大命題に対して真剣に向き合う「100の行動」。2011年7月に始まった堀義人による行動提言の執筆は、4年の歳月を経て2015年7月に完了。執筆を支えたシンクタンク機能「G1政策研究所」のアドバイザリーボードのメンバー5名によるリレー連載。

 

神保 謙

慶應義塾大学 総合政策学部准教授

 「100の行動」の防衛分野(行動23-26)が執筆されたのは2013年6月のことだ。安倍政権が発足してから半年が経過し、その安全保障・防衛政策をどのように推進していくべきか、「100の行動」執筆陣が苦心して練り上げた提言集だった。驚くべきことに、公開から2年3カ月を経て、防衛分野の行動は全体の半分以上が「実施済み」、残りの提言の多くも「大幅な前進」もしくは「一歩前進」という政策を実現させた。安倍政権は防衛分野においてまさに行動する政権であり、現代の防衛政策の進化に果たした役割は偉業といってよい。

 

政策提言のなかで実現した内容には以下のような項目がある。

 

「国家安全保障戦略の策定」(2013年12月実施済)

「国家安全保障会議(局)の創設」(2014年1月設置済)

「武器輸出三原則の緩和」(2014年4月実施済)

「集団的自衛権の行使の認定」(2014年7月及び15年9月に限定的に実施済)

「国際平和協力に積極的に参加する体制整備」(2015年9月に実施済)

 

 これらの施策は、冷戦終結後の四半世紀の間、日本の安全保障政策に積み重なった課題群であり、安倍政権はその本丸に立ち向かい、現代の防衛政策の法的・制度的基盤を整備した。

 

 日本の防衛政策の真価が問われるのは、これからの新たな行動である。ここでは4つの主要な課題を掲げたい。

 

 第1は切れ目のない領土防衛だ。平時から武力攻撃事態までシームレスな防衛態勢を整備するためには、防衛力の量と質の一層の充実化が必要である。また平時と有事の間のグレーゾーン事態にも隙間なく対応できる警察力・防衛力の平素からの連携が重要だ。

 

 第2は日米同盟及び地域内友好国との一層の協力強化である。中国に建設的な行動を促すためにも、力による現状変更を許さないコスト賦課戦略と、紛争に対する介入能力の強化が必須である。また南シナ海の秩序を維持するためにも、ASEAN沿岸諸国(比・越)に対する能力構築支援を一層強化しなければならない。

 

 第3は日本の国際平和協力とグローバルな関与である。中東・北アフリカ・西アフリカでは、内戦や過激主義の台頭による秩序の溶解が顕著となっている。日本はこうした地域の人道的危機に立ち向かい、秩序構築を主導するプレーヤーとして、積極的に平和維持・平和構築に参画する必要がある。そのために現代の不安定な情勢下でのPKOに参加する態勢整備や、国家建設・復興支援を重視すべきだ。

 

 第4は現代のテクノロジーの進化を防衛政策に積極的に取り込むことだ。無人技術(UAV: Unmanned aerial vehicle、ドローン、ロボット兵器)、人工知能、サイバー、宇宙分野の先進技術開発を積極的に推進しなければならない。防衛省の技術研究開発・研究推進制度の予算は著しく限られており、予算拡充と産官学連携を推進することは喫緊の課題である。

 

【今回のまとめ】

◆「100の行動」の防衛分野の行動提言は、大半が「実施済み」か「前進」を実現

◆これは安倍政権の偉業である。日本の安全保障政策の法的・制度的基盤が整備された

◆今後の課題は「切れ目ない領土防衛」「日米同盟等の強化」「国際平和協力」「先進技術開発」


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